アトピー性皮膚炎は治らないのか?
アトピー性皮膚炎の人の多くは、乳幼児期に発症し、小学校低学年くらいに症状は落ち着いてきます。しかし、乳幼児期に症状がひどいのを放置しておくと、治りにくくなり大人になるまで症状が続くことがあります。また、広範囲に湿疹が長期間あると、アレルギーの体質が悪くなる可能性があります。きちんとした治療をしていれば、多くの場合、症状はコントロールされます。
そのまま治ってしまうことも多いと思いますが、大きくなってから再びアトピー性皮膚炎が悪化する人たちがおられます。その場合、就職・進学・一人暮らしなどを契機に悪化することが多いと思います。
確かに、成人のアトピー性皮膚炎では、難治になるケースが多いと思います。しかしこの場合も、いくつかの治療ガイドラインにあるような標準的な治療を行うことによって、多くの場合コントロール可能と考えます。
ご本人の希望は治癒でしょうが、長期間続いた治りにくい湿疹が短期間に治るということは難しいと思います。後述するように、ますは皮膚のコンディションの良い状態を、いかに副作用の少ない治療で維持することが大切だと思います。