夏は海岸付近でクラゲに刺される被害が続出します。以下のことに気をつけましょう!
腔腸動物・・・クラゲ・サンゴ・イソギンチャク
- クラゲの傘の周りには触手があり、その触手には刺胞という毒素を満たした袋がある。
- 刺胞には刺針がありそれが刺激されると刺糸が発射され、刺胞内の毒素が皮内に注入される。
- 種類によって、季節は様々。また地域によって種類も様々。瀬戸内海にいるアンドンクラゲは8月から9月、太平洋岸に現れるカツオノエボシは8月。
症状
クラゲの毒による症状は、直接的な薬理作用で生じるものとアナフィラキシー反応によるものとがあります。アナフィラキシー反応とは強い全身性のアレルギー反応で、死亡することがあります。アレルギー反応は、過去にクラゲに刺されて抗体という物質が作られ、再び刺されたときにて起こります。
局所の症状
局所に激痛や灼熱感が生じ、触手の触れた部位に一致して線状ないし帯状の発赤・浮腫・膨疹が生じます。ひどい場合は、皮膚壊死が生じた後に瘢痕を作ることがあります。また、掻痒や発赤が数日後に再燃することもあります。
全身症状
ハブクラゲ・カツオノエボシのような強毒のものは頭痛、吐き気、呼吸困難、頻脈などを生じることがあります。特に幼少児に多く発生し、意識障害、痙攣、呼吸抑制・血圧低下などのショック症状を呈し死亡することがあります。アナフィラキシー・ショックは、刺されて数分から15分くらいで発症し、全身性蕁麻疹、くしゃみ、咳、呼吸困難、悪心、嘔吐、脱力感、心悸亢進、不安感等を生じます。
<刺された時の処置>
- ショック症状を呈して溺れることがあるので、直ちに海からあがり安静にする。その時に周囲に人のいるところへ行く。
- 触手がついている場合、刺胞を発射させないように指先で優しく触手を取り除く。ハブクラゲの場合、食酢をかけると刺胞が脱水し発射が押さえられる。カツオノエボシでは食酢をかけると逆に食指が発射されることが分かっており、かけてはいけない。毒素を洗い流す場合、真水は浸透圧の関係で触糸が発射されることが分かっており、海水を使って洗う。またビール・アルコールをかけたり、砂でこすり取ったりしてはいけない。
- 局所の症状に対しては、消炎鎮痛剤夜行アレルギー剤の内服および副腎皮質ステロイドの外用を行う。範囲が広い場合、疼痛が強い場合、水疱・潰瘍形成を生じた場合は医療機関を受診する。
- 本人が気分不良を訴えた場合、また蕁麻疹、咳投があれば、直ちに救急車を呼ぶ。小児の場合、範囲が広ければ救急車を呼んだ方が良いと思われる。
- 万が一、心肺停止になった場合は、心マッサージ、人工呼吸を行う。
注意点
- クラゲが出ている海には入らない。
- 台風の後はクラゲが浜辺に打ち上げられたり、破片漂っているので海に入らない。
- 死んだクラゲであっても、触手に触れると症状が出るので触らない。
- 岩場の海藻が多い所にもキタカギノテクラゲのように海藻に付着しているものもあり、そのような場所を避ける。
- 夏以外にもクラゲはいる。職業で海に入る人は注意が必要。