10か月の息子に湿疹ができてステロイド剤を処方されましたが、副作用が心配です。
ステロイドの塗り薬の副作用について、心配される声をしばしば聞きます。その内容は、漠然とした不安や、塗り薬の副作用と全身に作用する飲み薬・注射薬の副作用を混同していることが多いようです。また、色が黒くなる、皮膚から悪いものが出るのを妨げる、皮膚や体の中にステロイド剤が蓄積する、使い続けていると薬が効かなくなる、ステロイド依存症になる、というのも聞きますが、そのようなことはありません。
もちろん、使い方によっては皮膚が薄くなる、毛細血管の拡張が起こるなどの副作用は起こりえますし、細菌・真菌・ウイルス・疥癬などの感染症やニキビに使用すれば悪化します。
ところで、ステロイドの塗り薬には、強いものから弱いものまであるのを御存知でしょうか。一般的に、強ければ良く効きますが、副作用も出やすくなります。弱ければ、その逆です。また、塗る場所や皮膚の状態によっても薬の吸収は大きく変わってきます。
そのため、きちんと診断されること、正しくお薬が選択されること、十分な観察を行いながら使用されることが大切です。そうすれば、副作用を避けられるだけでなく、大変効果のあるお薬だと考えます。むしろ、ステロイドの塗り薬を使わないで、皮膚の症状をどんどん悪化させたり慢性化させたりすることの方が問題です。
また、十分な効果を得るために、塗り方などについても、先生に良く聞いて使用してください。